はじめに
OpenVINO 2021.1が出たという事で、Windows 10でインストールを確認してみました。2020.xに比べると少しつまづきポイントがあるかもしれませんね。
- Python、pip、TensorFlowのバージョンなどではまるかもしれません
- エラーなどが出た時は落ち着いて。我慢強く試行錯誤をしてみてください
- 煮詰まった場合は潔く諦めて、OpenVINO関係をアンインストールしてみるのも手だと思います。
確認した環境
本記事で確認した環境は以下の通りです。
- Dell Inspiron 15 3000
- Windows 10 pro
- Core i5 1035G1 / メモリ8GB / SSD
インストール前の環境は以下のような状態でした。OpenVINO 2020.4が入ってますね。
OpenVINO 2021.1のダウンロード
インストール方法はお好きな方法をどうぞ。本記事では、OpenVINOのホームページから、インストーラをダウンロードしました。
https://software.intel.com/content/www/us/en/develop/tools/openvino-toolkit.html
OpenVINO 2021.1のインストール
ダウンロードしたインストーラを実行します。
インストール後は、以下のようなフォルダ構成になりました。2021用のショートカットがありますね。
OpenVINO 2021.1のセットアップ
インストールガイドを参考にしながら、セットアップを進めていきます。
前提環境
動作環境として以下が前提となっていますが、本記事では構築済みとして進めます。まだの方は、インストールガイドを参考に進めてください。
- Microsoft Visual Studio* with C++ 2019 or 2017 with MSBuild
- CMake 3.10 or higher 64-bit
- Python 3.6 – 3.8 64-bit
環境変数の設定(Set the Environment Variables)
コマンドラインを起動して、openvino_2021のフォルダ配下のsetupvars.batを実行します。
>"C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino_2021\bin\setupvars.bat"
Python 3.8.6
[setupvars.bat] OpenVINO environment initialized
Model Optimizerの設定(Model Optimizer Configuration Steps)
Option 1: Configure the Model Optimizer for all supported frameworks at the same time:のところを実行します。
cd "C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino_2021\deployment_tools\model_optimizer\install_prerequisites"
C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino_2021\deployment_tools\model_optimizer\install_prerequisites>install_prerequisites.bat
install_prerequisites.batを実行するとエラーが出ました。
ERROR: Could not install packages due to an EnvironmentError: [Errno 2] No such file or directory: 'C:\\Users\\<user名>\\AppData\\Local\\Packages\\PythonSoftwareFoundation.Python.3.8_qbz5n2kfra8p0\\LocalCache\\local-packages\\Python38\\site-packages\\tensorflow\\include\\external\\com_github_grpc_grpc\\src\\core\\ext\\filters\\client_channel\\lb_policy\\grpclb\\client_load_reporting_filter.h'
検索するとERROR: Could not install packages due to an EnvironmentError: [Errno 2] はパスが長いと出るという場合もあるようなので、ポリシーの設定で変えてみましょう。
gpeditを検索し、グループポリシーの編集を開きます。
[管理用テンプレート]→[システム]→[ファイルシステム]で、”Win32の長いパスを有効にする”を開きます。“有効”にしてOKを押します。
再度、install_prerequisites.batを実行したところ、エラーの内容が変わりました!。ちょっとずつでも内容が変わるのはいいことです。
ERROR: After October 2020 you may experience errors when installing or updating packages. This is because pip will change the way that it resolves dependency conflicts.
We recommend you use --use-feature=2020-resolver to test your packages with the new resolver before it becomes the default.
tensorflow 2.3.1 requires numpy<1.19.0,>=1.16.0, but you'll have numpy 1.19.1 which is incompatible.
メッセージを調べてみると、pipの環境チェックが厳密になったのが理由のようです。ここではエラーメッセージのrecommendに従って、–use-feature=2020-resolverを追加してみます。
install_prerequisites.bat を開くと、pipを実行している行が確認できます。
–use-feature=2020-resolver を追加してみます。
再度、install_prerequisites.batを実行したところ、エラーにならずに完了しました。
確認用のプログラムを実行してみる(Use Verification Scripts to Verify Your Installation)
正常に動作するかどうか、確認用のプログラムを実行してみます。
cd "C:\Program Files (x86)\Intel\openvino_2021\deployment_tools\demo\"
demo_squeezenet_download_convert_run.bat
無事にcar.pngが車と認識されています。
demo_security_barrier_camera.bat も実行してみます。
バッチリ認識されました。
おまけ
環境変数の指定が出来ていない場合、サンプルやデモなどを実行時に以下のエラーが表示される場合があります。
- inference_engine.dllが見つからないため、コードの実行を続行できません。
- opencv_imgcodecs450.dllが見つからないため、コードの実行を続行できません。
- opencv_imgproc450.dllが見つからないため、コードの実行を続行できません。
環境変数の設定が無いだけですので、”C:\Program Files (x86)\IntelSWTools\openvino_2021\bin\setupvars.bat”を実行してください。または、環境変数に指定してください。
以上、Windows 10にOpenVINO 2021.1 を構築してみましたという内容でした。
フリーのITエンジニア(何でも屋さん)。趣味は渓流釣り、サッカー観戦、インラインホッケー、アイスホッケー、RaspberryPiを使った工作など。AI活用に興味があり試行錯誤中です。